指導員合格!

 先日蔵王にて行われた、SAJ公認スキー指導員(いわゆる正指)検定会に参加し、合格することが出来ました!
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 緊張が解けた後のもの凄い疲労感に襲われてますが、沢山の方にお祝いの言葉やメッセージをいただき、勝利の美酒を味わって「ああ正指になったんだなあ」とじわじわ実感しながら喜びをかみしめているところです。
 
 さて今シーズンは記録的な雪不足で、近所の米沢スキー場や小野川スキー場で練習することが出来ず、環境としては非常に厳しかったです。その中でも、天元台や蔵王に通って集中して練習したおかげなのか滑りの調子は凄く良くて、これはいけるという予感を持ちながら本番に臨むことが出来ました。学科の方も教程関連全てが出題範囲になるため勉強が大変なのですが、滑りに行けない日は学科の勉強に充てたので、結果としてバランスも良かったかもしれないです。
 とはいえ、「好事魔多し」なので怪我をしたり病気になったりしないよう、本番ではうっかり内足に乗ったりターン数を間違ったりしないように細心の注意を払いました。

 本番を振り返って。
■理論(学科)
 正答率60%で合格ですが、範囲が広いので久し振りにガチガチの受験勉強をやりました。教程に赤マーカーを引いて緑のフィルムで隠しながら書いて覚えるやつをひたすらやりました。もうやりたくない・・
 本番の問題は今回からマークシート方式になり、従来の記述よりは楽になりました。ただ、あてずっぽうでは難しい感じだったので良問が多かったなあと思いました。自己採点では7~8割か。 閉会式での講評によると、理論の合格率は90%程度とのこと。

■実技
①パラレルターン大回り(サブバーン)
 1種目目は緊張するものですが、蔵王の皆さんが応援してくれて、気持ち良く滑ることが出来ました。80%程度の出力でしっかり外脚に乗って、ゆったりしつつ重みのあるターンを演技しました。
②フリー(リズム変化・総合滑降)・竜山ゲレンデ
 好天で雪が緩み始めていたので、踏みすぎて足場を崩すミスが無いように注意しました。事前練習でリズムの流れは決めていたので、その通り、冷静に気持ちよく滑ってきました。
③滑走プルーク→基礎パラレルターンへの展開(上の台ゲレンデ)
 練習をし尽くした種目の一つ。序盤2ターンの局面では外脚が伸びていくシルエットになりますが、この形に惑わされてただの伸ばし操作をやると内足に乗ってしまいます。自分の中ではほんの一瞬曲げ荷重から仕掛けて捉えが始まった瞬間に突っ張る荷重に切り替える意識にして、外スキーのカービングを演技しました。中盤の2ターンは、外スキーがフォールラインに絡んだあたりで詰まった内足の膝がくるっと返っていくように演技しました。内スキーのエッジは序盤2ターンはフラット、中盤2ターンは外エッジが効いてくるように意識して見せました。ここまでは上手くいったのですが、練習の時に比べてゴール地点が高くなり(コースが短くなった)、終盤のパラレルターンで規定のターン数に不足しそうになったため、慌てて半径を小さくして対処したのでヒヤリとしました。動きとしては良かったので合格点にはなったのだと思います。
④プルークボーゲン
 2日目の最初の種目。昔から最も合格率の悪い種目と言われており、一番悩んで練習した種目です。
 初心者が少しスキーに慣れて自由に緩斜面を移動できるくらいになったところを演技するイメージなので、二等辺三角形のシルエットを維持しないといけません。が、スキーをやりこむと、つい色々な動きが足されてしまってシンプルなシルエットが出来なくなってしまいます。ワタクシもなかなかきれいなシルエットが出せず、カミサンにビデオ撮りを何度もやってもらい、沢山の方にアドバイスをもらいながらようやく納得いく滑りに仕上げることが出来ました。斜降プルークで両スキーにプレッシャーをかける練習も役立ちました。
 本番では、斜度がややきつめだったので大きめのハの字を作り、スキーの位置関係や脚から体のシルエットを崩さないように細心の注意を払いながらしっかり4ターンしました。この種目は1番滑走になってしまい、かなりの緊張の中で滑りましたが、上手くできたので、これでいけるかなという気持ちになってきました。
⑤パラレルターン小回り(不整地)
 これはコブ好きとしてはボーナス種目です。普通に降りれば合格のイメージ。色気を出してコケないように抑えて滑りました。(サポート陣からは「攻めろよ」とブーイング有り。。。)
⑥横滑りの展開
 これは得意種目。オッサン世代はカービングスキー普及前の「くの字姿勢」を徹底して練習してますので、これを使って自由にズラシ操作が出来ます。注意したのは、ギャラリーや地形を目印にして、そこに向かって(視線を上げながら)一直線に進むこと。足元を見ると逆にバランスが取りにくくなります。方向転換は、曲げた脚をすっと伸ばしながらピボット操作でエッジを外して滑らかに回します。雪の状態も良かったので、満足のいく演技が出来ました。
⑦シュテムターン
 これも得意の一つ。練習方法として、急斜面や不整地、片斜面でもシュテムで滑って、どこでも対応できるようにしていました。くの字姿勢の外脚にあたるポジションに外スキーをバチっと置いて、雪面を捉えたらそれを一切動かさずに内足を引き寄せて乗り込んでいくイメージ。
 ゴール地点から情報が上がってきて「雪が緩んで滑りにくくなっているので失速に注意」とのことだったので、規程の下限の4ターンに減らして大きな半径でスピードを維持しました。これも満足の出来。
⑧基礎パラレルターン小回り
 ラスト種目。自分の中では苦手な方の種目です。右手が下がったり切り替えで上に抜ける癖があり、これを出さずに滑りきることに集中しました。雪面に水が浮き始めていたので春スキー用の液体ワックス(ノットワックス)を塗って操作性を良くして対処しました。無難に滑り降りて合格点にはなったと思います。

■マテリアル
スキー:オガサカ Keo's KS-RV
      ('15-'16モデル 165cm R=15m)
    チューンナップはオガサカにて
    購入時と同等の角度。
     +FL585プレート
ブーツ:HEAD RAPTOR 120 RS+BOOSTER
     (スタンダード、2枚ゴムタイプ)
     +sidasカスタムインソール
ポール:シナノ(普段は110cm、
        検定時は+5cmに調整)
スキーヤー:165cm、58kg、足のサイズ23.5cm
      弓道五段、45歳。
      千葉ロッテと人間椅子が好き。

 思い起こせば準指導員に合格した時は、そこが自分の中での終着点だと思っていたのですが、諸先輩方から合格直後から「さあ指導員に向けてスタート!」と言われてしまい、ラスボスを倒した後に更に黒幕の大ボスの存在を明かされて続編に続くゲームのような気分でした。
 でも、そうやって無我夢中になって練習してきて、ふと気が付いたらテクニカルプライズ&指導員に到達していました。子供の頃からスキーをやっていて、ずっと目指しているのは「自由自在にスキーを操作したい」ということなのですが、まだそこまでは行っていないけれどだいぶ近づいてこれたのかなあという心境です。 スキーバカ一代チャレンジ編はこれで終了な訳ですが、これからは「自由自在」に向けた研究が始まるんだなあと思っています。(クラウンや技選はさすがに無理・・・)

 シーズンを滑り倒して体じゅうがバキバキに傷んでいるので、冬キャンプでも楽しんでから楽しい春スキーに移行したいと思います。スキーバンザイ!シーハイル!


■追記:テクニカル・クラウンと指導員資格、他モロモロについて
 ネットなどを見ると「指導員なんてテクニカルにも受からない名誉資格みたいなもんだ」という意見がありましたが、両方やった経験者としてこれは大きな誤りがあるなあと思いましたので一筆。
 まず、テクニカル・クラウンは1級までのバッジテストの延長であり、プレイヤーとしての上手さ、基準への到達度を評価するものです。言い換えると、滑りが良ければその仕組みなどを理解している必要は無いです。急斜面を高速で滑り切るパワーとスピードへの対応が求められます。
 一方、準指・指導員はスキーを1人でも多くの人に広めるという役割を持っていて(規定にも書かれている)、スキーを教えるために必要な理論の理解や模範滑走の表現力が問われる資格です。具体的には、「どうしてスキーでターンできるのか、どうしたら楽にターンできるのか」というのを体や道具の使い方の理論として理解し、そのパーツ毎に生徒さんに手本を見せる、言葉で伝えるという能力を持っているのです。スキーを広める、という目的上、底辺である初心者への対応が多くなるため、テクニカルのような高速への対応はそれほど求められずプルークボーゲンのような種目での正確な操作と深い理解が重視されます。これは、プレイヤーとして優れた滑りをする技術とはまた別の難しさがあります。
 なので、テクニカルを持っていても準指に落ちる人もいるし、逆もあるわけです。目的が違うので求められる技術の方向性も違う。どちらが上、下、あるいは共通?という話にはならないです。
 自分だけが上手ければ良い、という考えは全く悪い考えではなく、そういう楽しみ方もありますが、それだけの技術では初心者を楽しく滑れるように導くことは難しい場合があります。もしテクニカルだけの人が初心者を指導しようとしても、受講者さんはそれぞれ体格・道具・性格などばらばらなので、勉強無しに自分の成功体験だけに基づいて指導するとマッチしないこともあるのです。
 ワタクシの中での両方の立ち位置の切り替えは、自分で楽しく滑るときにはテクニカル、誰かを教えるときには指導員、という感じでいます。両方やった難易度としては、頭を使って滑る分 指導員資格の方が辛かった印象がありますが。
 もし、1級を取ってその先どうすればよいかなあと考えている方がいたら、その目的を整理して道を選んでいただければよいかと思います。

 また、合格率について。準指導員検定は県の連盟別に実施されます。ワタクシの山形県のように練習環境に恵まれた場所であれば全体の滑りのレベルも上がってくるので雪無し県の検定に比べると合格率は格段に高いと思います(60%台)。これは、山形県が甘いのではなくて受験者のレベルが高い、と言えると思います。実際にYouTubeで"難関”と言われる雪無し県の準指検定の滑りを見ると1級にすら達していないように見える受験者が多数いますので。準指の合格者の滑りを見ても、やはりレベルの差があるように見えます。
 一方指導員検定は全国一律、SAJによって行われる訳で、今回の蔵王会場の合格率は50%ちょっとだったと思いますが、上記の通り県によって受験者のレベルに既に差が付いているので、山形からの参加者は8割程度が合格している一方で厳しい結果になった県もあって、結果50%程度になるのだろうと思います。色々裏ルールをまことしやかに語る人もいますが、「指導員検定の合格基準は一つで練習環境に差がある」という切り口で分析するとシンプルにはっきりすると思います。山形でスキーが出来る幸運に感謝!

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